アラサー非正規女性ヤママユ子のブログ

リーマンショックで正規雇用にありつけないまま20代後半なった女のあれこれ

仕事のやる気。カフカの変身。

ヤママユ子の仕事へのモチベーションは下がるばかりである。

と言うよりも、低下した状態でキープしていると言った方が正しいだろうか。
しかし仕事を行う上で肩の力が抜けて、感情的にもならず却ってフラットな気持ちで仕事には出ることができる。
ただ、何かきっかけがあればすぐ辞めるだろうと思う。
宝くじでも買おうかなという感じ。10億円あれば旦那と二人でも何回人生が送れるだろう。

少し前までは、宝くじが当たろうともこの仕事は辞めたくなかったのに。


女の職場だから仕方ないことだが、「媚びる必要がない」と判断した相手にはまったく興味を示さなくなる人間がいる。
そしてまず私のような若い派遣は「媚びる必要がない」と判断される。まるでいないように扱われる。


いやだいやだと思いながらも仕事には毎日行き、11月はメーカーの正社員より多くの新顧客を獲得した。それが評価されることは、ない。
ならばいっそメーカーに入社してしまえばいいという話だが、「通勤往復3時間圏内のどこに配属・異動になるかわからない」というのが私には恐怖だ。
例え遠くても、決まった場所に通い続けるのは苦ではない。
しかし入って数年は決まった店舗に入れないため、毎日他県を含むあちこちに通勤しなければならない。

あと7歳若ければ。と思う。

私は今まで何をしていたんだろうかと。





話は変わるが気分転換に読書をした。
青空文庫というやつはとてもいい。
休憩室で本を開いてると何か言われそうだし重いし、遠慮していたが、
青空文庫で本を読んでいれば、周りからはスマホをいじってるようにしか見えない。
私は漫画でもゲームでも本でも昔のものでも良いものならどんどん挑戦したいから、
著作権切れの名作がたくさん読める青空文庫が好きだ。

先日はカフカの『変身』を読んだ。
何とも言えない読後感だが、カフカ本人は自分のこの作品を大笑いしながら朗読したという。
もう100年も前の作品だ。

主人公のグレーゴルは、朝起きたら自分が毒虫になっているのに、まず仕事のことを考えてしまうなかなかの社畜くんだ。
だが読み進めて行くと家族への愛が見えてくる。
親の借金返済のために、年老いた親を養うために、可愛い妹を音楽学校にやるために、グレーゴルは頑張っていた。
自分が意思疎通もできない虫になってしまったことで家族は自分を疎ましく思い始めるのに、
グレーゴルは家族がまだ蓄えがあることに安心したり、妹が仕事しはじめるのを心配したりするのだ。
家族が投げたリンゴが背中にめり込み、その傷が腐りはじめても。

最後までグレーゴルは家族への愛を大切にし、穏やかな気持ちで息を引き取る。
グレーゴル、いや、家に巣食う毒虫が死んだことで、グレーゴルの愛した家族は心から安心する。


例えば、家族が急に姿が変わってしまったら?
病気になったり無職になったりしたら?
そういう深い話かなと感じたけど、カフカはそこまで考えてなかったりして。